La chambre des merveilles ルーム・オブ・ワンダー

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今月2度目の3連休。先週もそうだったけど、今週も読書をして過ごしている。
さっき読み終わったのは、ジュリアン・サンドレル「ルーム・オブ・ワンダー」
聞いたことのない作家だ。


f0176688_17413896.jpg こんにちは、Kaoluluです。
 3連休が続いても、特に何もすることがありません。
 昨日はなんと、起きたら10時を回っていました!
 どんだけ眠れるんだ!?と自分にびっくり。
買っても読む時間がなく積み上げられていた本を片付けている(読んでいる)ところです。


今朝は、冒頭の写真の「ルーム・オブ・ワンダー」を読み終えた。
この本を買ったのは、先週末のフランス語レッスンの帰りだった。
金曜日の会社帰り恒例の書店探検で見つけたのだけど、
現代小説であり、小説家ではない作者が書いたデビュー作と説明してあったので、
これはフランス語でも読めるかもしれないと思って、一旦手を停めた。

帰宅して、ネットで「La chambre des merveilles」と検索する。
出版社の作ったプロモーション動画と、アマゾン、数々の書評サイトがヒット。

原書の定価は17€90。(約2,300円)
邦訳版は¥1,500!
Oh là là ! フランス現地で原書を買うよりも、邦訳版を日本で買う方が安いなんて。
…というわけで、原書取り寄せは諦めて、再び書店へ行ったのだ。
原書はポッシュ版が出てからでもいいよね。
↑のアマゾンや出版社サイトで一部立ち読みができる。
辞書を使ってコツコツ…ならば、なんとかKaoluluでも読めそうだ。



この小説はネタバレすると面白くないので、詳しいことはかけないけれど、
たぶん、30代、40代の働く女性、いや、男性でも考えさせられ、あちこち痛くて涙が出てしまうと思う。
こんな↑プロモーション動画を作れるほど映像的なストーリーで、映画化されてもおかしくない。

今年の3月にフランス本国で出版され、5ヶ月後に日本で邦訳が出るなんて、異様な早さ。
それもそのはずで、昨年秋のフランクフルトのブックフェア(出版界ではかなり有名な見本市)に
初校段階で紹介され、20カ国以上にその版権を譲渡したそう。
初校とは、作家の原稿を初めて本のページの体裁で出力したもののこと。
まだ本の形になっていないどころか、校正も途中だ。

邦訳は大急ぎで翻訳されたのか、多少粗削りな部分が残っている(本文と「謝辞」内の意訳が違うとか)。
おそらく意図的に仏文の形のままに語順が倒置されている文章は、はじめは違和感を感じるけれど、
慣れれば話し言葉のようにテンポよく読めるようになる。

作者Julien Sandrelは38歳。
男性とは思えないほど、女性目線をよく理解していて読んでいて心地いい。

日本で翻訳されているフランスの現代小説はミステリーばかり。
フランスのミステリー小説は結構残酷なものが多く、Kaoluluでも最近は読まなくなった。
時たま仏文に強い出版社からミステリー以外のフランス文学が刊行されることもあるけど、
妙に陰鬱だったり、シニカルだったり、難解だったりする上、
発行部数が少ないせいで値段設定が高すぎたりする。

だから、フランスの心温まるような小説は原文で読むしかない。
そんな現状で、この本は珍しく日本語で読めるフランスの温かい現代小説。

ただ、フランスの日常に親しみのない日本人には1つだけ厄介な点がある。
フランスのアーティストやアスリート、はたまたニュースキャスターの固有名詞が、
実在のものなのか架空のものなのか、知らない人には判断できないということ(苦笑)
この小説には実在の有名人の名前がたくさん登場する。そう、彼らは実在する!(笑)

アメリカの小説だと、人名でも商品名でも、その点あまり苦労がない。
フランスの現代小説が日本で翻訳されにくい原因の1つなのかも。
フランス人は多国籍企業をよく思っていないのだから仕方ない。
(と、いうことも普通、日本人は知らないし。フランス人は地元密着志向だ)

f0176688_17445952.gif とはいえ、この小説は、フランスってどこ?ってくらいの人でも楽しめるはず。
 東京も登場するしね。読書の秋にお薦めの1冊。



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by kaolulu-nv | 2018-09-23 14:56 | 読書 | Comments(0)

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