ブリウドのサンジュリアン寺院〈Brioude〉mar. 11 avril*4日目7
2017年 05月 20日
こんにちは、Kaoluluです。
4日目の旅行記が終わりません(苦笑)
まだまだこの日の夜まで続きますよ。
今日はKaoluluの誕生日ですが、部屋にこもって旅行記更新デス。
Bon anniverssaire !(と自分で言ってるやつ…)
> En marchant de la gare au centre de Brioude 駅からブリウド中心地へ歩く駅を出て左手、南へ向かってまっすぐ進むと、Y字に道が分かれています。
病院を左手に見ながら、左の道をまっすぐ行くと、ブリウドの教会の鐘楼が見えてきます。
午前中の曇天が嘘だったみたいに晴れてしまいました。
もっと早く晴れてくれりゃいいのに。
ブリウドの街、とても気に入りました!
駅から10分くらい歩くけれど、建物が低いので方向感覚が掴みやすいです。
観光地化しすぎていない、でも綺麗な絵になる場所がたくさん…。
路駐している車が少ないというのも、観光客には嬉しい。
駐車場の少ないフランスの町では路駐は仕方がないのですが、
ここはこんな↑工夫がされています。…ああ、青い空が眩しい。
この先を右に曲がると、大聖堂のあるGrégoire de Tours 広場。
> L'extérieur de la basilique Saint-Julien サンジュリアン寺院の外観
Basilique Saint Julien サンジュリアン寺院。すっかり逆光です(苦笑)
後陣側に大きな広場があるので、思いっきり引いて全体像を撮影することができるのは、
結構珍しい環境なのではないでしょうか。
この広場に面して観光案内所もあって、とても便利です。
全長74.15mあるブリウドのサンジュリアン寺院は、
オーヴェルニュ地方の最大のロマネスク教会です。
よく、イソワールのサントーストルモワンヌ教会がオーヴェルニュ最大と勘違いされていますが、
あちらは全長65mで、
Basse-Auvernge(オーヴェルニュ北部)の5大ロマネスク教会の中で最大ということです。
ちなみに、オーヴェルニュ北部5大ロマネスク教会は、
オルシヴァルのノートルダム、イソワールのサントーストルモワンヌ、
サンサチュルナン、サンネクテール、クレルモンのノートルダム・デュ・ポールのこと。
ブリウドはHaute-Auvergne(オーヴェルニュ南部)に位置します。
午前中に来られれば、日を浴びた後陣が見られたのだけど…。
逆光で見ると、八角形のとんがり屋根の色がよくわからないですね。
1060年、拝廊から着手され、内陣と後陣は1180年に完成。
身廊は1259年に丸天井式の交差リヴにして、さらに高く増築されたそう。
西門の四角い鐘楼は19世紀に再建されたもの。
白、黒の菱形の寄細工のモザイクはオーヴェルニュ地方のロマネスク様式の特徴。
だけど、本来のロマネスク様式は、屋根の瓦に接する部分がでこぼこした蛇腹状の帯cordons de billettesで縁取られているのですが(クレルモンのノートルダム・デュ・ポール参照)、
ここでは滑らかな溝型。
これはなぜかブルゴーニュ地方のロマネスク様式なんだそう。。。
Wikipediaのart roman auvergnatを見ると、この地方の教会が見比べられて面白い。
軒持ちには、変な顔がずらり。
マンガやゲームのキャラクターみたい…。
黒い玉砂利の石畳の南側を回って、南門から入ろう。
ブリウド滞在はたったの2時間46分しかないのだ…!(汗)
> L'intérieur plein de couleurs 色にあふれる内部
南門は、オシャレな葉模様の柱頭のある扉口。(ちなみに北門は改修中でした)
タンパンを囲むアーチにも、かすかに植物の文様が残っています。
午後の光がここちよい。。。
銅のドアノッカーが可愛らしい。こちらはライオンだそう。
こっちはサルなんだって。。。人間みたいだけど。
扉を押して中に入ると、いきなりこれだ!言葉もない。。。
今回の旅で、最高の教会芸術だと感じました。
赤い砂岩でくみ上げられた、いくつも重なるアーチ型、
一面に描かれたロマネスクの素朴なフレスコ画。
この、南門から入ってすぐ左部分が最も古い11世紀の部分。
2階のあのキリスト像の天井画を近くで見たい!
でも、どこからアクセスするのかわからない!
予めミシュランガイドを読んでから行ったので、
礼拝堂へは観光局で身分証明書と引き換えに鍵を借りてアクセスできるのは知っていました。
でもまさか、その礼拝堂が2階にあるとは思いもせず…!!
(ミシュランガイドにはきちんとtribune楼台にあると書いてあったのだが…見落とし)
あのキリスト像が描かれているのは、まさに、その礼拝堂だったのです(汗)
その名は、Chapelle Saint-Michel サンミシェル礼拝堂。
ルピュイのサンミシェル礼拝堂といい、ミカエル大天使は上の方が好きなのね〜。
…まあ、そのことは後で気づいたこと。
その時は、ただただ、淡い色で溢れる教会内部に感嘆するばかりでした。
あまりに感動していたのでカメラが傾いてしまったのでしょうか…。
身廊と内陣は13、14世紀にゴシック様式に改築されてしまったとは言うけれど、
そんな天井にもステンドグラスの色が映えていて、柱のカラフルなフレスコ画と調和しています。
ステンドグラスは革命時に失われ、19世紀になってやっと改修が始まりました。
2008年、韓国出身ドミニカ教会の修道士キム・アンジョン氏によって作られた
現代的なステンドグラスは、抽象絵画のようなデザイン。
ステンドグラスだけを見ると、多少の違和感があるのですが、
大聖堂の中を幻想な優しい光で照らし、本当にこの場にふさわしいと感じました。
…素敵です。
床は色の違う小石で舗装されています。
翌々日は復活祭前の聖木曜日。。。ミサの準備らしきものが。
身廊中央部の舗装はロマネスクの古いものらしい。
20世紀の改修と発掘の際に、クリプトとともに発見されたそうです。
17世紀の主祭壇はおとなしめな雰囲気。
南側廊に横たわるマリア像。
まるで涅槃像みたいだけど、出産間近のマリア様なんだそうです。14世紀のもの。
その横にいるのはChariolのマリア像。溶岩でできた14世紀の像。
北側廊にも木製で金箔を貼った、同じポーズのVierge à l'oiseauが
あったはずなのですが、見た覚えがないんです…。
柱やステンドグラスに気を撮られていたとしか思えない…。
祭壇横から内陣下にあるクリプトへと入ります。
SJ、Saint-Julienだろう。彼の遺物とイコン。
また教会内に戻って、後陣の5つの礼拝堂をぐるりと回ります。
なんだか手ぶれしてますが…。後陣の天井にもフレスコ画が描かれているんですね。
なんと訳したらいいのだろう?傷ついたキリストかな。。。
あわれな顔が痛々しい。木に布を貼って彩色してあるそうです。
太陽のおかげか、この明るい大聖堂内は本当に印象的でした。
トリビューヌに登れば、もっと近くから柱頭やステンドグラスが見られたのでしょうね。
でも、このときはこうしてカラフルな光と柱を眺めることができただけで、大満足でした。
ここからだって、サンミシェル礼拝堂の天井画は見えますし。
西門。赤い砂岩部分は古い部分。上部の鐘楼は19世紀の再建物。
西門前に参道はありません。なのでこれ以上後ろに下がれません(笑)
サンジュリアン寺院を堪能しました!
この後は、観光地図を便りにブリウドの街を散策します。
スケッチする時間があるといいんだけど…。
→ フランス旅行記2017〈パリ郊外とオーヴェルニュ〉全記事表示
Commented
by
ヒヤシンス
at 2017-05-20 16:17
x
Joyeux anniversaire !
とても気持ちの良い季節に生まれたんですね、季節が祝ってくれていいな~
オーベルニュのロマネスクはかなり特徴際立ってますよね、色とか八角形とか、
大きいし。
Kaoluluさん、観光局の件は、本当にありがとうございました、感謝です。
まさか、現地で伝えて下さるとは・・、すてきなアイデア!
ロマネスク様式に詳しくなって下さり、うれしい、いろいろ解説ありがとうございます!!
なんというか、すごく土臭く、ダイレクトに伝わる感が好きなんだなぁと改めて思いました。
とても気持ちの良い季節に生まれたんですね、季節が祝ってくれていいな~
オーベルニュのロマネスクはかなり特徴際立ってますよね、色とか八角形とか、
大きいし。
Kaoluluさん、観光局の件は、本当にありがとうございました、感謝です。
まさか、現地で伝えて下さるとは・・、すてきなアイデア!
ロマネスク様式に詳しくなって下さり、うれしい、いろいろ解説ありがとうございます!!
なんというか、すごく土臭く、ダイレクトに伝わる感が好きなんだなぁと改めて思いました。
0
Commented
by
kaolulu-nv at 2017-05-20 17:26
> ヒヤシンスさん
Merci beaucoup à ta gentillesse.
40過ぎるとお祝いもしなくなってしまうけれど、確かに季節は晴れ晴れですね(笑)
ミシュランガイドでロマネスク様式の解説をフランス語で読んだのだけど、専門用語が多くて大変でした。大きくてずっしりしていて、なんだか斜面みたいな変なところに建っていて、オーヴェルニュのロマネスクは保存状態もいいですね。ミディピレネーのロマネスクより背が低いので天井や柱などをじっくり見ることができるし。
こちらこそ、資料ありがとうございました!役に立ちました!
Merci beaucoup à ta gentillesse.
40過ぎるとお祝いもしなくなってしまうけれど、確かに季節は晴れ晴れですね(笑)
ミシュランガイドでロマネスク様式の解説をフランス語で読んだのだけど、専門用語が多くて大変でした。大きくてずっしりしていて、なんだか斜面みたいな変なところに建っていて、オーヴェルニュのロマネスクは保存状態もいいですね。ミディピレネーのロマネスクより背が低いので天井や柱などをじっくり見ることができるし。
こちらこそ、資料ありがとうございました!役に立ちました!
Commented
by
まっちー
at 2017-05-29 21:57
x
kaoluluさん、お誕生日おめでとうございます🎉
遅くなりましたが…🙏
とても素敵な教会ですね!
こんなに明るくカラフルだけど柔らかい色、写真でも十分素敵だけど、実際は
さぞ感動されただろうなー。
旅行記、美味しいものを噛みしめるように
一気に読むのが勿体無くて、ちびちび⁈じっくり楽しませていただいています(^^)
ここ、行って見たいです!
遅くなりましたが…🙏
とても素敵な教会ですね!
こんなに明るくカラフルだけど柔らかい色、写真でも十分素敵だけど、実際は
さぞ感動されただろうなー。
旅行記、美味しいものを噛みしめるように
一気に読むのが勿体無くて、ちびちび⁈じっくり楽しませていただいています(^^)
ここ、行って見たいです!
Commented
by
kaolulu-nv at 2017-05-29 23:57
> まっちーさん
こんばんは!本当に、Brioudeの教会はとても感動しました。
元はロマネスク様式だったのに、天井がゴシック様式に改装されて高くなっていたり、ステンドグラスが現代のものになったりしているのですが、それが全く違和感がなく一体化されています。柱や天井に描かれたフレスコ画の修復もきっと細心の注意が払われているのでしょう、派手になりすぎず、古びた色をそのまま残すようになっていて、修復した人の教会への愛情が感じられますね!
パリからクレルモンまで3時間半、そこからさらに1時間電車に乗らねばなりませんが、駅から歩けるので、時間さえ許せば外国人にも行きやすいです。ぜひいつか!
旅行記、まだまだ続きそうで、私自身が疲れています(笑)二度目の旅をしているようで…
こんばんは!本当に、Brioudeの教会はとても感動しました。
元はロマネスク様式だったのに、天井がゴシック様式に改装されて高くなっていたり、ステンドグラスが現代のものになったりしているのですが、それが全く違和感がなく一体化されています。柱や天井に描かれたフレスコ画の修復もきっと細心の注意が払われているのでしょう、派手になりすぎず、古びた色をそのまま残すようになっていて、修復した人の教会への愛情が感じられますね!
パリからクレルモンまで3時間半、そこからさらに1時間電車に乗らねばなりませんが、駅から歩けるので、時間さえ許せば外国人にも行きやすいです。ぜひいつか!
旅行記、まだまだ続きそうで、私自身が疲れています(笑)二度目の旅をしているようで…
by kaolulu-nv
| 2017-05-20 13:09
| 2017フランス旅行記
|
Comments(4)