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ときどき日誌 sur NetVillage

Kaoluluの日誌:France/news/旅

マロンとシャテーニュ、マロングラッセとマロンクリーム

マロンとシャテーニュ、マロングラッセとマロンクリーム_f0176688_15592813.jpgこんにちは、Kaoluluです。
今日はとっても寒いです。関東も雪になるかも?
昨日、年賀状を書いていて、黒ボールペンのインクが切れました。
買いに行かねば…と思っていたけど、昔のボールペンにするかも。
出不精とケチ?

さて、今日はまたフランスのTVからのネタです(笑)
またしても仏独共同テレビ局ARTEから。
仏独互いの文化を理解し合うためのテレビ局とあって、
外国人が見て面白いと感じるものが多いのです。
今日はその典型的な番組 KARAMBOLAGE から。前にも紹介したことあるかも。

Arte: Karambolage/Emission du 14 décembre 2014 «les Marrons glacés»(動画)
 「マロングラッセ」
(12月21日まで視聴可*再放送後、延長されるかもしれません)
マロンとシャテーニュ、マロングラッセとマロンクリーム_f0176688_10554944.jpg
(番組サイトより拝借)
マロンとマロニエの違いについては、このブログを始める前、
2003年頃にHPにあった旅行記で紹介したことがあります。(もうそのサイトはありません)
その話が、今週のKarambolageで説明されていて、とても嬉しくなりました。
クリスマスパーティーの手土産は、チョコレートやマロングラッセがフランスの定番なんですね。

番組制作はフランス。ドイツ人にフランスの文化を紹介するという形になっています。
とはいえ、Kaoluluの耳ではとても聞き取れません。
でも、この番組はナレーションの台本がそのままサイトにアップされているんです。
語学学習にはもってこい!
Karambolage: Emission du 14 décembre 2014(テキスト)
この中の番組冒頭「L'objet: les marron glacés」の部分を読みました。長かった…。

フランス語を習い始めると、果物の名前の後ろに「-ier」と書くと木の名前になると知ります。
cerise サクランボは、cerisier 桜、pomme リンゴは、pommier リンゴの木…という具合。
だけど、なぜか
marron 栗 は、marronnier と言うと、栗の木ではなくてマロニエ=セイヨウトチノキ
になってしまうのです。
じゃ、栗の木はなんて言うのかって?「châtaignier シャテニエ」です。

上の番組キャプチャー画像は、左はマロニエの毬、右はシャテニエの毬です。
全くの別物なのに、どうしてそんなことになってしまったのか。。。

右のシャテニエ châtaignierの実は、昔は「貴重なシャテーニュ」「食用シャテーニュ」
と呼ばれていたそう。
ドイツ語では「Edel」や「Esskastaine」という名前だったのですが、
「Marone」とか「Maroni」とRが一つの綴りの「マロン」と呼ぶ地方もあったらしいです。

左のマロニエ marronnierは、
「普通のマロニエ marronnier commune」、「インドのマロニエ marronnier d'Inde」
とフランスでは呼んでいたのだけど、
フランスの並木道でより多く見かけ、親しんでいた「インドのマロニエ」を、
フランス人は略して「Marron マロン」と呼んでいたのが間違いの元だったそうな。

ドイツでマロニエは、「Rosskastanie」、「Ross」は馬のより格式張った言い方だそう。
マロニエの実は、人間が食べると毒でも、馬が食べても平気だったのが由来なんだとか。

シャテーニュの毬の中には、しっぽのようなものがついた実がたいてい2つ入っているけれど、
マロニエの毬の中には、大きくてまんまるの実が一つだけ入っている。しっぽはない。
マロングラッセ用の大きなシャテーニュは、毬に一つだけ入っていてまんまるのものなので、
これを「マロン」と呼んでも、そんなに違和感はない。

…というのが、この番組の説明の結論です。

つまり、
一つの毬に複数入ったシャテーニュはそのまま、「châtaigne シャテーニュ」。
一つの毬に1個しかなく大きいシャテーニュは、「marron マロン」。


ウィキペディアの「セイヨウトチノキ」にある語源とは微妙に違っていますね。
(ウェブ上の情報の真偽の判断は本当に難しい…!)

ヨーロッパでは何世紀にも渡って、栗を粉に挽いて、ガレットを作り、飢餓の人々を救ってきた。
そのため、シャテニエは「パンの木」とも呼ばれていたそう。

また、栗を焼くときは、少し切り込みをいれないと破裂して危険。
より加熱するために、灰のなかに入れたり、穴のあいたフライパンで直接焼ける。
皮をむく時は、指がやけどしそうだけど、栗の季節は冬なのでグッドタイミングだ…。
焼き栗売りのかけ声は、フランスの風物詩となっていたけれど、もう廃れてしまった。


みたいな話をし、最後に、またマロングラッセの話に戻る。
マロングラッセのとろける美味しさ、とても高価だけれど、
最高のマロングラッセを1年に1個食べたほうがよいとか…。
アルデッシュ県のClément Faugierのつくった Crème de marron マロンクリームは、
もともとはマロングラッセのカスを利用して作ったのが始まりだ、とかね。

ドイツで生活しているフランス人に忍び寄る深い絶望を、どうやってドイツの友に説明できるだろうか。冬の夜、マロンクリームの缶を小さなスプーンですくいながらしょんぼりしているのを、なんとかしてあげることはできない。ドイツでは未だみつからないも同然。

このあたり、とても訳しにくい。マロンクリームはドイツには存在しないってことかな。
マロンクリームはフランス人にとって、故郷の年末の味。。。
悲しげにマロンクリームを缶から直接すくっては食べ、すくっては食べしているアニメが、
なんとも面白おかしく、シュールです。

マロンとシャテーニュ、マロングラッセとマロンクリーム_f0176688_17445952.gif日本人にとっての正月のお汁粉って感じかなぁ?(笑)
いや、おせちに入ってる栗きんとんかもしれない。
仏語の先生が帰って来たら聞いてみようっと(現在年末年始帰省中)
マロンクリーム食べたくなっちゃった。


*追記*
11月末に1週間に渡りFrance2のお昼のニュースで特集されたアルデシュの栗の話です。
1:L'Ardèche à l'heure de la châtaigne「栗の時期のアルデシュ」
2:La châtaigne, trésor de l'Ardèche 「栗、アルデシュの宝」
3:La Châtaigne : la crème de l'Ardèche「栗、クリームアルデシュ」
4:L'Ardèche à l'heure de la châtaigne「栗の時期のアルデシュ」
5:Les Châtaigniers d'Ardèche : un patrimoine en danger「アルデシュの栗の木、危機にある遺産」
1ですでに、どうしてシャテーニュクリームじゃなくて、マロンクリームなのか話していますね。

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by kaolulu-nv | 2014-12-16 11:55 | 気になるフランス | Comments(0)

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