日本産じゃない和牛・フランス編
2014年 10月 29日
こんにちは、Kaoluluです。
またまたのんびりフランスのニュースを読んでいたら、
もうこんな時間になってしまいました…。
この時期のアトリエは、よく日が入るので気持ちがいいです。
夏は暑過ぎ、冬は全く日が入らない…。
貴重。
ぼんやり本を読んだり、辞書をひきまくってフランス語を無理矢理読んだり。贅沢な時間です。
今朝のコーヒー。光が差してとても綺麗だったので…。
コーヒーを飲みながら必死に読んでいたのはこの記事。
→ Ouest France: Le boeuf japonais se met à table à Nantes
「日本の牛肉、ナントのテーブルに着く」
和牛が、いつの間にか海外で生産され、世界中で「オーストラリア・ワギュウ」という、
不思議な牛肉が市場を席巻しているのはみなさんご存知の通り。
Kaoluluも「オーストラリアで生産されたら和牛じゃなくてオージー・ビーフじゃろ」
と思います。
オーストラリアの畜産家が「日本産より美味しい和牛!」と
わけのわからない言葉を口にしていると、かちーんとくるのはKaoluluだけではないはず。
たとえば、イベリコ豚が日本で飼育されたら、イベリコ豚と呼べるのか?とか、
シャンパンをシャンパーニュ地方以外で生産したら、スパークリングワインだよね、とか。
これは結構難しい問題です。
しかし、牛の例を挙げると、
フランスのリムーザン牛は、オーストラリアやカナダでも飼育されています…。
もし「和牛」を品種だと考えるならば、海外産もアリなのです。
「月刊専門料理」(柴田書店)のために描いた牛の品種の絵より。
実際には、肉食用和牛は4種しかおらず、98%がこの黒毛和種だそう。
もう、和牛=黒毛和種と言ってもいいくらいですね…。
フランスの地方紙記事を見つけて、フランス人は「和牛」をどう考えているのか気になりました。
ではでは、さっそく読んでみましょう。
まず、「和牛」の説明から入ります。
『和牛というより「神戸牛」が日本の牛肉として知られているが、これは実は「ルピュイ産緑レンズ豆」と同じように産地管理のための名称で、「和牛」は単に日本の牛肉という意味だ』と説明。
ヨシヨシ。。。そこまで説明してくれるとありがたい。
『大変美味な霜降り肉、作り立てバターに近い味、唯一無二のとろける食感、オメガ3脂肪酸が豊富という理由で高く評価している』
バターにたとえるとはフランス人らしい。
そんな和牛が、フランスはブルターニュ地方で飼育されている。
いつから?誰が?という内容に続きます。
『これほどの品質が、北海道ではなく、レンヌ近くのBrielleで2009年春、家族経営で飼育を開始したSébastien Cherel氏と、奥さんのカナオカマサミさんによってもたらされた』
よくよく調べてみると、2009年当初から話題になっていたようで、
奥さんは日本人ということもあり、フランス在住の方はご存知かもしれませんね。
Cherel氏がきっかけを話します。
『僕は2000年に6ヶ月の予定で、航空券と家畜飼育技術上級免状をポケットに入れてオーストラリアに旅立ちました。そこで、私の妻と子どもたちの母になる彼女に会ったのです。その後、私たちは日本で暮らしていました。私は東京の複合ホテルで数年間働きました。そこで初めて和牛を味わった時、僕は一瞬これは絶対魚だろうと思いましたよ!』
日本で普通に生活していても、なかなか高級和牛は食べられません。
畜産専門家が東京のホテルで働いていたとは、なかなか面白い巡り合わせですね。
フランスに戻り、市場を研究、遺伝学と日本での動物たちの様子を猛勉強したそう。
その時、国際基準の牛個体識別情報制度について学んだそうです。
『日本人は和牛飼育が海外に達することにとてもこだわりがあり、日本の伝統を尊重しています』
ああ、よくわかって下さっていてホッとしますね。。。
和牛が海外へ導入されるのは仕方がないのだけど、
海外へ行ったことで和牛ではなくなってしまうのではないかと、日本人は心配しているのです。
ただそれだけ。
マグロはどこで漁をしても同じマグロだけど、牛は育った環境で全く違うものになるから。
リムーザンの若い雌牛に胚を移植し、出産、肥育。現在彼の牧場には50数頭の和牛がいるそう。
オーストラリア産和牛と比べたら、数は全く比較になりませんが、
かなりの高級牛肉となり、フランス国内の高級レストランからひっぱりだこのようです。
ブルターニュの和牛は、牧場の名前をとって「Miyabi-gyu 雅牛」と呼んでいるそうです。
なるほど、ブルターニュ・ワギュウよりいい感じ。断然高級感が出ますね。
→ Miyabi ferme(雅牧場)
牧場のHPはフランス語なのでちょっと分かりにくいですが、
ミヤビ・ギュウが卸されているパリの十時やのサイトでは日本語で説明されています。
→ 十時や:和牛の魅力
Kaoluluにとっては、日本でも高くてなかなか買えない黒毛和牛ですが、
本場物も今年の6月からEUへの輸出解禁になったし、ぜひヨーロッパの美食家たちに、
ちょーおいしいお肉をたくさん食べて欲しいです。
Kaoluluは千葉産三元豚で我慢です。でも、これ、めちゃ柔らかくて美味しいよ。安いしね。
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またまたのんびりフランスのニュースを読んでいたら、
もうこんな時間になってしまいました…。
この時期のアトリエは、よく日が入るので気持ちがいいです。
夏は暑過ぎ、冬は全く日が入らない…。
貴重。
ぼんやり本を読んだり、辞書をひきまくってフランス語を無理矢理読んだり。贅沢な時間です。
コーヒーを飲みながら必死に読んでいたのはこの記事。
→ Ouest France: Le boeuf japonais se met à table à Nantes
「日本の牛肉、ナントのテーブルに着く」
和牛が、いつの間にか海外で生産され、世界中で「オーストラリア・ワギュウ」という、
不思議な牛肉が市場を席巻しているのはみなさんご存知の通り。
Kaoluluも「オーストラリアで生産されたら和牛じゃなくてオージー・ビーフじゃろ」
と思います。
オーストラリアの畜産家が「日本産より美味しい和牛!」と
わけのわからない言葉を口にしていると、かちーんとくるのはKaoluluだけではないはず。
たとえば、イベリコ豚が日本で飼育されたら、イベリコ豚と呼べるのか?とか、
シャンパンをシャンパーニュ地方以外で生産したら、スパークリングワインだよね、とか。
これは結構難しい問題です。
しかし、牛の例を挙げると、
フランスのリムーザン牛は、オーストラリアやカナダでも飼育されています…。
もし「和牛」を品種だと考えるならば、海外産もアリなのです。
実際には、肉食用和牛は4種しかおらず、98%がこの黒毛和種だそう。
もう、和牛=黒毛和種と言ってもいいくらいですね…。
フランスの地方紙記事を見つけて、フランス人は「和牛」をどう考えているのか気になりました。
ではでは、さっそく読んでみましょう。
まず、「和牛」の説明から入ります。
『和牛というより「神戸牛」が日本の牛肉として知られているが、これは実は「ルピュイ産緑レンズ豆」と同じように産地管理のための名称で、「和牛」は単に日本の牛肉という意味だ』と説明。
ヨシヨシ。。。そこまで説明してくれるとありがたい。
『大変美味な霜降り肉、作り立てバターに近い味、唯一無二のとろける食感、オメガ3脂肪酸が豊富という理由で高く評価している』
バターにたとえるとはフランス人らしい。
そんな和牛が、フランスはブルターニュ地方で飼育されている。
いつから?誰が?という内容に続きます。
『これほどの品質が、北海道ではなく、レンヌ近くのBrielleで2009年春、家族経営で飼育を開始したSébastien Cherel氏と、奥さんのカナオカマサミさんによってもたらされた』
よくよく調べてみると、2009年当初から話題になっていたようで、
奥さんは日本人ということもあり、フランス在住の方はご存知かもしれませんね。
Cherel氏がきっかけを話します。
『僕は2000年に6ヶ月の予定で、航空券と家畜飼育技術上級免状をポケットに入れてオーストラリアに旅立ちました。そこで、私の妻と子どもたちの母になる彼女に会ったのです。その後、私たちは日本で暮らしていました。私は東京の複合ホテルで数年間働きました。そこで初めて和牛を味わった時、僕は一瞬これは絶対魚だろうと思いましたよ!』
日本で普通に生活していても、なかなか高級和牛は食べられません。
畜産専門家が東京のホテルで働いていたとは、なかなか面白い巡り合わせですね。
フランスに戻り、市場を研究、遺伝学と日本での動物たちの様子を猛勉強したそう。
その時、国際基準の牛個体識別情報制度について学んだそうです。
『日本人は和牛飼育が海外に達することにとてもこだわりがあり、日本の伝統を尊重しています』
ああ、よくわかって下さっていてホッとしますね。。。
和牛が海外へ導入されるのは仕方がないのだけど、
海外へ行ったことで和牛ではなくなってしまうのではないかと、日本人は心配しているのです。
ただそれだけ。
マグロはどこで漁をしても同じマグロだけど、牛は育った環境で全く違うものになるから。
リムーザンの若い雌牛に胚を移植し、出産、肥育。現在彼の牧場には50数頭の和牛がいるそう。
オーストラリア産和牛と比べたら、数は全く比較になりませんが、
かなりの高級牛肉となり、フランス国内の高級レストランからひっぱりだこのようです。
ブルターニュの和牛は、牧場の名前をとって「Miyabi-gyu 雅牛」と呼んでいるそうです。
なるほど、ブルターニュ・ワギュウよりいい感じ。断然高級感が出ますね。
→ Miyabi ferme(雅牧場)
牧場のHPはフランス語なのでちょっと分かりにくいですが、
ミヤビ・ギュウが卸されているパリの十時やのサイトでは日本語で説明されています。
→ 十時や:和牛の魅力
Kaoluluにとっては、日本でも高くてなかなか買えない黒毛和牛ですが、
本場物も今年の6月からEUへの輸出解禁になったし、ぜひヨーロッパの美食家たちに、
ちょーおいしいお肉をたくさん食べて欲しいです。
Kaoluluは千葉産三元豚で我慢です。でも、これ、めちゃ柔らかくて美味しいよ。安いしね。
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by kaolulu-nv
| 2014-10-29 12:04
| 気になるフランス
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